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ハワイ以上に純粋で、美しい場所を私は知らない。ここでは人々や自然、食べ物、文化、波…リストアップすればキリがないほど、さまざまな要素が唯一無二の状態で今も生きている。

開店準備のためにオアフ島で過ごした一週間は、自分が国賓級の滞在客であると錯覚するのに十分な期間だった。…というのはあくまで比喩だけれど、この島で受けた愛はそれほどに実直で、アメリカ本土で経験したことのないものだった。

「何を言ってるんだ」と思う人もいるかもしれない。けれど、ハワイという場所で時間を過ごしたことがある人なら、きっとこの気持ちを理解してくれるだろう。

ハワイで出店するきっかけとなったサーフジャックホテルでのプロジェクトは、早い段階で耳に入っていたが、自分たちとはあまり親和性がないような印象を持っていた。否定的な意味合いではないけれど、ちょっと恐れ多いような。ブティックホテルで長期間出店するという条件にも疑問を持たなかったというと嘘になるが、同時に普段とは異なった新鮮さも感じていた。

準備までの三ヶ月を早送りで振り返ってみよう。ホノルルのサーフジャックホテルでの出店が正式に決定したあと、ホテル内でコーヒーを提供することを決めたり、自分たちのプロダクトをピックアップしていった。

オリーブとオリバーは、スムーズな立ち上げ作業のためにさまざまなサポートを提供してくれ、また3人のバリスタを紹介してくれた。もし、読者が当店へ訪問する機会がありそうなら、ブロンソン、ビニー、そしてオーニャについて覚えていて欲しい。彼らは絶対的に信用でき、かつ才能に溢れたコーヒーの専門家だ。

オープン前日に一晩で準備をし、スペースを公開したと言ったら信じられるだろうか?

あまり褒められたことではないけれど、それが私たちのスタイルなので、ご容赦いただきたい。結局、当日の午前5時頃から1〜2時間の仮眠をとり、午前7時に店に戻った。朝方、この新しい空間で抱いた前触れのような感覚を今でも思い出せる。その時はその感覚が一体なにを意味していたのか、わからなかった。今思えば、準備が終わったことへの安堵と、共鳴するエネルギーが私たちに満ちていたのだと思う。

私たちはコーヒーの専門家ではないし、おしゃれを気取れる人間でもない。けれど、工芸品やプロダクトに注ぐ愛は持っているし、献身的な専門家だという自負はある。サーフジャックショップを訪れた人たちには、それを感じ、持ち帰ってもらいたい。

ハワイの空気を感じるプロダクトと、小さいながらコーヒーの全てが詰まったコーヒーバー。そんな素敵な空間を、素晴らしいブティックホテルと提携し、オープンできることをとても嬉しく思っている。

バリスタに「アロハ」と声をかけ、コーヒーを飲もう。サーフジャックでの滞在を楽しみながら、私たちのバーとブティックで、素敵な出会いが生まれますように。