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プロサーファーでありながら、ビデオグラファー、フォトグラファーというクリエイターとしての顔を持つ山中海輝。今回、そんな氏とROIALのコラボレーションアイテム発売を記念しインタビューを敢行。ROIALとの出会いや、彼の創作についての想いを聞いた。

―まずは山中さんがサーフィンを始めたきっかけから教えていただけますか?

一番最初にサーフィンをしたのは5歳の時です。両親が2人ともサーファーで、大阪に住んでいたんですけど、週末や休みの日は基本海で過ごすような生活をしていて。三人兄弟なんですが、父と母が交代で僕らの面倒をみながら海に入ってという感じで。両親はそこまでしてでもサーフィンをしたいほど好きだったので、その姿を見て僕も自然とサーフィンを始めるようになりました。

―大阪に住んでいるのに、毎週末海に行くのはすごいですね。

自分が8歳ぐらいの時には、父が奈良県でサーフショップを始めて、より僕もサーフィンできる環境が整ったというか。お父さんが仕事で忙しくても、お店の人たちが連れててくれるという感じでした。それで生活の一部になっていきましたね。

―将来何になりたいか考える頃には、もうプロサーファーを目指されていたのでしょうか?

はい。小さい時から、短冊などに夢を書く時はプロサーファーって書いてました。

―ROIALとの出会いはいつですか?

12歳の時です。なので、15年目とかになりますね。父のサーフショップでROIALを扱っていて、そこからスポンサーしてもらえるようになりました。

―山中さんから見たROIALって、どんなブランドでしょうか?

ROIALの作る服が好きなのはもちろんですが、チーム自体に対して愛がすごくあります。何も分からない時から、育ててもらったという感じです。12歳の時はまだサーフィンも全然うまくなかったのに、それでもサポートしてくれて。15,6歳でプロになる時とか、いつも一緒に喜んでくれて。怪我して1年間サーフィンができない時も、他のスポンサーは切れたりする中、ROIALさんは見守っていてくれました。だから、良いときも悪い時もずっと支えてくれて、一緒に喜んで悔しがってくれるファミリーのような存在ですね。始めて東京に来た時も、社長が迎えに来てくれて。サーフィンしか知らなかった僕が今見ておくべきものをと、色々なお店へ連れていってもらいました。ファッションやカルチャーも、全て教わりましたね。

―今回そんなROIALとの初コラボということですが、そもそも写真や映像などのクリエイターとして活動するようになったのはいつからなのでしょうか?

21歳ぐらいの時に、自分のサーフィンの動画をもっと良いクオリティで撮ってもらいたいと思い、一眼レフのズームレンズキットを買って、それで撮ってもらった動画を自分で編集してというのを始めたら、どんどんのめり込むようになりました。遠征に行くと空いている時間が多いので、カメラを持って色々な所に行ったりして、記憶に残そうと真剣に始めるようになりました。

ーそこまでのめり込ませる写真や映像の魅力って何だと思いますか?

結構サーフィンと似ている部分があると思っていて。表現の自由さが好きなんだと思います。

―正解が無いというか。

まさにそうですね。自分の好きなように表現できるし、僕が撮ったものを見てくれた人が「良い影響を与えてもらえました」などと言ってもらえることも嬉しくて。それでどんどんハマっていき、自分にしかないものを追求したくなるようになりました。こないだ写真家のレスリー・キーさんの現場にご一緒する機会があったのですが、1枚の写真に何時間もかけたりしていて。刺激的過ぎました。そういう尊敬する人たちから吸収しようとしている段階です。仕事のキャリアとしては、まだ始めたばっかりのようなものなので。

―PORT of CALL東郷町が昨年オープンした際には、アーティストのDUNKWELLさんによるウォールアートの様子を映像に残していましたね。

ちょうどこの板の裏にシュンさん(DUNKWELL)が絵を描いてくれました。僕の家の猫です(笑)。たまに暇があれば、シュンさんのアトリエに遊びに行っていて。いつかサーフボードにアートを描いて欲しいと思っていたのですが、すごい人過ぎてなかなか言い出せなくて。でも、それを伝えると何か書こうよとその場で屋上に上がっていって描いてくれました。シュンさんもROIALが繋げてくれて、知り合いました。

―今回のコラボアイテムに使われた写真についても教えていただけますか?

僕が思い出に残っている写真から選んでもらいました。一番上はホテルに泊まった時に飾ってあったアートがカッコよくて。その中に自分が写っているのを見て何気なく撮りました。2枚目は、コロナの自粛時に二ヶ月サーフィンをしていなくて、人生で二ヶ月もサーフィンをしないのは怪我以外で初めてで。そんな自粛明けに色々思うことがある中で波を待っていた時の朝日です。やっと自分の居場所に帰ってきたという感情になったことをよく覚えています。3枚目は、飛行機で台湾へ向かう離陸の瞬間です。台湾は10歳ぐらいの頃からよく行っていた第二のホームのような場所なんですけど、これもエモーショナルな感情になる好きな写真です。

―こちらの海辺の写真は?

西オーストラリアへ行った時の写真です。大自然の中にプライベートビーチのような場所がたくさんあるのですが、この自分の足跡しか残ってないのが旅らしくて良いなと思って、ドローンで上から撮りました。行ったことのない場所へ1人で遠征するのは初めてで、どう過ごして良いかも分からないのでとりあえず写真を撮ってました。その時の成績も良かったので、思い出に残っている写真です。

―全部背景にしっかりとストーリーがあって良いですね。

ただカッコイイというので着てくれても嬉しいですし、ストーリーを聞いて着てくれたらもっと嬉しいです。写真は、その撮っている時の感情もストーリーも全部話せますね。

―次のFallコレクションでもROIALとコラボレーションされるとのことですが、どんなことを考えて制作されましたか?

海に行く時はこの服装でしょという固定観念を無くして、ジャージのセットアップなど今までROIALになかったストリートの要素や新しいものを取り入れようと思って制作しました。

―今後ライダーとしてもクリエイターとしても、ROIALとはどのような取り組みを行なっていきたいと思いますか?

今まで与えてもらってばかりだったので、何か僕も返せるようになりたい。育ててもらったおかげで今こうして色々な所に出させてもらって、そこでたくさんのものを吸収してきたので、それを次は持って帰ってROIALで何か生み出したい。僕がスポンサーされている意味ってそこだと思うので。プロサーファーって海の中でカッコイイのは当たり前だと思うんですよ。陸に上がってもカッコ良くなりたいと思うから、ROIALを着ると気持ちが引き締まります。そういうものを一緒に作っていきたいですね。